2013年5月12日日曜日

iPhone版LINEで有料スタンプ プレゼント機能が突然の終了 − その理由を考える

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iPhone版LINEで有料スタンプのプレゼント機能が終了した。LINE公式ブログでの発表と同時に機能提供終了という唐突さと、その理由が「Apple社からの要請」としか説明されていないことから、様々な憶測を呼ぶ事態となっている。本稿では、同機能の終了の理由について、その決済方法に着目して考察していきたい。

まず、LINEの有料スタンプ プレゼント機能が、どのような決済の仕組みだったかをおさらいすると、アプリ内で「スタンプ用コイン」を購入し、そのコインを使うことでスタンプを買い、友人などにプレゼントするというものである。

スタンプ用コインという仮想通貨を経由するというのがポイントで、そこが自分で使うための有料スタンプを購入するのと異なっている。自分用の有料スタンプを購入する場合は、仮想通貨を経由せずに1種類○円としてアプリ内で購入する。

スタンプ用コインの購入にはApp Storeの決済が使われるため、売上の3割はAppleに行く仕組みだ。これは自分用の有料スタンプを購入する場合と何ら違いはない。

仮想通貨を使っていたことが今回の終了の理由ではないかと見る向きもあるが、仮想通貨自体はApp Storeの審査ガイドラインでも認められており、実際にソーシャルゲームなどの多くのアプリで仮想通貨が使用されている。

では、何が問題だったのか?

ヒントとなると思われるのが、アプリ内課金についてデベロッパー向けに書かれた「In−App Purchaseプログラミングガイド」(PDF)だ。そこに以下のような留意点が記されている。

中間通貨のようなアイテムを提供することはできません。これは、特定の商品やサービスを購入
するということがユーザに認識されることが重要であるためです。

とりわけ注目したいのが2文目だ。つまり、何を購入したのかを、ユーザーが明確に認識できるようにすることをAppleは重要視している。

仮想通貨を一旦購入してから、その仮想通貨でアイテムを買うというのは、何をいくらで買ったのかあやふやになりがちだ。とりわけ、自分で使うものではなく、LINEの有料スタンプ プレゼントのように他人に渡してしまうのであれば、自分の手元には何も残らない。これがAppleが問題と見た点ではないだろうか。

今回の有料スタンプ プレゼント機能の終了には、Appleへの批判も多く散見される。すなわち、そのような裁定を下すのはプラットフォーマーとしての身勝手であり、ユーザーのメリットを損なう。ユーザーはiPhoneを捨て、Androidへ向かうだろうというものだ。

しかし、果たしてAppleはユーザーのほうを見ていないと言えるだろうか。仮想通貨を経由することがユーザーの金銭感覚を麻痺させることは、多くのソーシャルゲームがそれを取り入れていることにより明らかだ。デベロッパーはあの手この手でユーザーから金を落とさせようとするが、健全なアプリプラットフォームを築くためにはプラットフォーマーが歯止めをかけなくてはならない。

Androidを含め1億5千万ユーザーを突破したLINEの影響力は日に日に増している。それだけに、今回の問題も大きな話題になっている。今後、仮想通貨を取り入れた他のアプリへの波及もあるのか注目していきたい。